written by CHECK&STRIPE staff

脚本家 木皿泉さんが、ご自身のエッセイの中で紹介されていてとても気になっていた、佐川光晴さんの『おれたちの青空』(集英社文庫)を読みました。

ハッピーエンドの物語を読んだり見たりすると、小説やドラマだからこんな風にうまくいくんだ、現実はそうではない、と思うことがよくあると思います。

ただ、現実にもこういうことがあるんだよということを知ってほしい、木皿さんがそうよくエッセイなどに書かれていて、うんうんと頷いているのですが、この佐川さんの物語にもそういうところがとても感じられました。

 

昔からなぜかわからないのですが、家族ではない人たちが同じ場所で暮らしている、という物語に惹かれる傾向があり、この「おれたちの青空」は、札幌の児童養護施設で暮らす子どもたちとその施設を運営しているおばさんの物語です。

 

この本を読んでいる途中に、ああ、読み終わりたくないタイプの本だなと思いながら、インターネットで佐川さんの本を調べていたら、シリーズだということが分かりとても嬉しくなりました。

 

最初に読んだのが「おれたちの青空」でしたが、これはシリーズの2巻だったようで、今シリーズの1巻の「おれのおばさん」を借りています。このあと「おれたちの約束」、「おれたちの故郷」と続くので、これからしばらく心は札幌・・・ということになりそうです。