written by CHECK&STRIPE staff

原田マハさんの『楽園のカンヴァス』(新潮文庫)を読み、話の展開、設定などすべてに於いて心を鷲掴みにされました。

MoMA(ニューヨーク近代美術館)にあるルソーの「夢」に酷似した絵を所有する大富豪から、絵の真贋判定を任されたMoMAのキュレーター ティムと研究者 織絵。大富豪は、7日間でこの絵の真贋判定をし、正しく判定した物にこの絵を譲ると告げ、謎の古い物語を2人に読ませます。

その物語を読み進めていくと・・・

 

現代と過去、謎の物語の時代と3時代に分かれた設定になっています。

美術のことを詳しく知らなくてもどんどん引き込まれていきます。

どうやって海外の絵が日本で展示されるのかなども描かれていて、ストーリーと直接関係のない話も興味深く、森ビル森美術館設立準備室、MoMAに勤務後、フリーのキュレーターになられた原田さんにしか描けない物語だと思いました。

 

物語の中で、現代の織絵は岡山県倉敷市にある「大原美術館」の監視員として働いていて、大原美術館のことも描かれています。大原美術館にはルソーの絵もあるので、近々ぜひ訪れたいと思いました。